ある日、ハナちゃんは、ためいきをつきながら帰ってきました。 「はぁ…。きょうはついてない日だなあ。」
・朝、くつしたが片っぽ、なかなか見つからなくて時間がかった。
・学校では、給食でだいすきなプリンが出なかった。
・放課後、あそんでいたら、急に雨がふってきて、ぬれちゃった。
「なんでこんなに、 “よくないこと” ばっかりなんだろうおこるんだろう。」
ハナちゃんは、しょんぼり。
でも、おばあちゃんはにっこりして言いました。
「そうかいそうかい。じゃあ、それは『しあわせのタネ』だねぇ。」
「えっ?ついてないのに、『しあわせのタネ』なの?」
🧶 しあわせのタネ、つぎはいいことがくるよ
おばあちゃんは、こう言いました。

いいことばかりがつづくと、それが「ふつう」になってしまって、 だんだん「ありがたいなあ」って気もちがうすれてきちゃうんだよ。
でも、きょうみたいに「ついてないなあ」って思う日があると、 つぎにいいことが起きたときに、「わあ、うれしい!」って心のそこから思えるんだよ。
たとえばね、のどがかわいてるときにのむお水って、とびきりおいしいよね。 おなかがぺこぺこのときは、いつものごはんも、まるでごちそうみたいに感じない?
学校から帰るときに、急に雨がふってきたら、服やくつがぬれちゃっうね。でも、イヤな気持ちで下を向いてたらもったいないね。そのあとの晴れた空が、いつもより青くてキレイに見えるかもしれないし、 もしかしたら、虹が出ているかもしれないよね。
――だからね、ちょっといやなこと、かなしいことがあったときは、 そのあとの「しあわせ」が、すぐそこまで来てるっていうサインなんだよ。 それが、『しあわせのタネ』っていうことなんだね。
『しあわせのタネ』を見逃したら、もったいないねえ

そうか!おなかすいたときのごはん、おいしいもんね
雨上がりの空、きれいだったかも。もっと、よくみればよかったなあ

いいことと、悪いことはね、かわりばんこにやってくるんだよ。
悪いことがあると、ふつうのことが、いいことに感じられるよ。
逆に、いいことばかり続くと、ふつうのことが、つまらなく感じるし。
まるで、
よりあわさったなわ”みたいに、かわりばんこにやってくるもんなんだよ。
おばあちゃんのはなしは、とてもあたたかく感じました。
🌈 ちいさな『よかった』が、みえるようになる
その日、ハナちゃんは、かんがえ方を変えてみました。
・くつしたが見つからなかった → ママと一緒に探して楽しかった。
・プリンはなかった → 代わりに出てきたヨーグルト。はじめて食べた。思ったよりおいしかった。
・雨にぬれた → みどり色のカエルが鳴き出して、ぴょこぴょこジャンプして、かわいかった。
「“ついてない”って思ってたけど、“よかったこと”もあったな。」
「そうか。悪いことがあったら、ちいさな『よかった』がみえるようになるんだ!」
そう気づいたとき、ハナちゃんのこころの中に、ポッと小さな光がともりました。
🍀「ついてない」は、しあわせのタネ
ときどき、「ついてないなあ」と思う日があります。 がんばったのに、うまくいかなかったり。
かんけいのない人から、いやなことを言われたり。
そういうときこそ――
じぶんがどれだけがんばったかに、気づけるチャンスかも。
いつもは気にとめないような、とても小さな「よかった」が、心にじんわりとしみこんでくる。
やさしい声、笑顔、やさしい声をかけてくれるだれかの思いやり。
「ついてないこと」は、じぶんの中の「しあわせを見つける目」を育ててくれるはず。
にわか雨のあとの空のきれいさに気づくみたいに。
「ついてない」があるからこそ、ふつうの日に起こっている、小さな「よかった」に気がつくことができる。
小さな「よかった」、それに“気づく力”が育っていくと、まいにちの、一つ一つが光って見えてくるんだ。
だんだん、しあわせなことが、たくさんみえるようになってくるんじゃないかな。
もし、きょう、ちいさなよかったことを見つけたなら、 きみの心のなかにそっと芽を出す「しあわせのタネ」かもしれないね。
いやなことにならないようにする

「いやなことが起きないように、ちょっとしたじゅんびをしておくと、いいかもしれないね。
たとえば、おでかけのまえに天気よほうを見て、あめがふりそうだったら、おりたたみがさをもっていくと安心だよ。
給食のこんだても見ておけば、『プリンだとおもってたのに、ちがった…』って、がっかりしなくてすむかもしれないね。ヨーグルトをたべたことがなければ、『ヨーグルトってなに?』っておかあさんにきいてみるのも、いいね。
それから、くつしたのしまう場所も、ちゃんときめておくといいよ。あさになってからさがすより、ねるまえにじゅんびしておくと、あわてなくてすむね。」

うん、そっか…。たしかに、おどろいたり、がっかりしたりしないようにするって、だいじだね。
でもさ、もしあめがふってきても、ぬれてわらったり、
ちがうデザートでも『まあ、いいか』っておもえたら、
それもたのしいのかも。
…だけど、よるのうちにくつしたをじゅんびしておくのは、ほんとうにいいかもね!あさの時間で、いつもバタバタするし!

いいことと、わるいことってね、かわりばんこにやってくるものだよ。
ずっといいことばかりじゃないけど、ずっとわるいことばかりでもないよ。
ときどき、「ああ、ついてないなあ」って思うことがあったらね、 それはね、ふつうのちいさな“うれしいこと”を、見つけやすくなるチャンスでもあるよ。
たとえば、あめがやんだあとのおひさまの光とか、すきなおやつがあったときの気もちとかね。
それにね、いちどわるいことがあると、 「つぎ、またあんなことが起こるかも」って、じゅんびできるようになるの。 そうすると、いやだなっていう気もちも、ちょっと小さくなるんだよ。
だからね、いやなことがあったときは、 「どう考えたら、少しでもいい気もちになれるかな?」って思ってみてごらん。 ものの見かたを、ちょっぴりかえるだけで、しあわせなじかんがふえていくんだよ。

そっか〜! わるいことがあっても、ずっとじゃないんだよね。 いいことも、そのうちちゃんとやってくるっておもうようにしよう!
そういえば、このまえのテストでまちがえちゃったときも、 『つぎはここに気をつけよう!』って思ったら、 なんだか自分にちょっぴりパワーがわいてきたの!💪✨
それに、ちっちゃなうれしいことって、ほんとは毎日にいっぱいあるのかもね!
すきなおかしをたべられたり、空にうかぶ雲がどうぶつのかたちに見えたり…
これから、いやなことがあったは、 「よーし、ハナちゃんは、ちょっといいことさがし名人になるぞ!」って思うようにしよう!
おばあちゃんに、今日のことを、はなしをしてよかった。ありがとうね

どういたしまして。
わたしも、ハナちゃんとはなしをして、たのしかったよ。
こんどは、すごくいいことがおきたときのはなしもききたいな。
また、おはなししようね。ありがとう。
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