幸福とは何か気づく。世界三大幸福論(3)ラッセルの幸福論より

時間には「幸福の時間」、「投資の時間」、「役割の時間」、「浪費の悲観」の4つの時間があり、
「幸福の時間」を増やすことであり、それを時間磨きと呼ぶと、
柿内尚文さんは著書「このプリン、いま食べるか?ガマンするか?」で言っています。
私も、だれもが「幸福の時間」を増やしたい。
しかし「幸福の時間」の幸福とは何なのでしょうか?
幸福とは何か、納得した上で幸福の時間を増やしたいと思います。
そのために、いちど真面目に、幸福とはなんなのか考えてみたいのです。
今回、世界三大幸福論の一つ、ラッセルの「幸福論」より、
幸福とは何か、どうしたら幸福になれるのか考えてみたいと思います。
みなさまの幸福のために少しでも役に立てれば嬉しいです。

三大幸福論

三大幸福論と呼ばれている幸福論があります。
著者はヒルティ(1833〜1909)、アラン(1868〜1925)、ラッセル(1872〜1970)です。
これらの幸福論は、幸福とは何かを知るために、いちばん参考になる考えだと思います。
今回、ラッセルの幸福論より、幸福とは何かを紹介します。

ラッセルの華々しく壮絶な人生

幸福論の著者バートランド・ラッセルは1872年イギリス生まれの哲学者、数学者です。
祖父は元イギリス首相のジョン・ラッセルで貴族出身です。
幼い頃に両親を亡くし、祖母から厳しい教育を受けながら育ちました。
39歳で「数学原理」という数学の本を出版するほどの数学者でもあります。
この記事で紹介する「幸福論」は、彼が58歳(1930年)の時に出版しました。
多くの書籍を出版し、78歳(1950年)にはノーベル文学賞を受賞。
86歳(1958年)には「ラッセル=アインシュタイン宣言」で
核兵器廃絶・科学技術の平和利用を訴えました。
華々しい人生のようですが、
2度の投獄、4度の結婚するという壮絶な人生でもありました。

不幸の原因

ラッセルは、幸福論で、不幸の原因と幸福をもたらすものについて論じています。
健康で食べるのに困らない一般の人について
不幸の原因は、以下の3つで、自己没頭と呼びました。
(1)自分を卑下する(これをラッセルは罪人と呼びました)
(2)自分を過剰に賛美する(ナルシスト)
(3)過度の権力を求める(誇大妄想狂)
また、他人の評価を気にする、他人と比較することも不幸の原因と考えました。
(4)他人の評価を気にする、他人と比較する
幸福にならないようにするためには、不幸にならないようにすること、ということが必要なのは、わかりやすい考えかただと思います。

幸福をもたらすもの

一方、幸福をもたらすものとして、
(1)私心のない趣味を持つこと
 「私心のない趣味」とは、その趣味の目的やメリットなどを考えない自分の好む趣味です。
 情熱を持ってて取り組めることがあると、満足感や充実感を得られます。
(2)周囲の人たちとの関係
外交的で、社会との関わりがあること、周囲の人への愛情や共感を持つことでが幸福をもたらす。
周囲の人の幸福を願っていくこと、
その人たちの幸福が自分の幸福ともつながっていて、共に喜ぶようにしたいです。
そのためには、周囲の人の幸福と、自分自身の幸福を両立させること、他人の幸福のために自分の幸福を犠牲にしないことが必要です。
また、自分が幸福になることが、周囲の人への幸福につながっているように考えましょう。
これらのことで、周囲の人との関係を維持し、幸福をもたらしていきたいです。
(3)ありのままの自分を受け入れる
 自分の人生をありのままに受け入れることが幸福の鍵です。
その上で変化に柔軟に対応するとよいのです。
自分の素直な気持ちで、自分の好きなことを探し、
生きがいがあることを信じ、この世は生きていく価値があると感じることが大切です。
一方、自分を受け入れるこを勘違いして、
答えの出ない究極的な問いかけ(たとえば、人生とは何か、自分はなんのために生まれたのか、など)をすることは、時間の無駄になるので避けた方が良いです。

幸福になるためにすること

・仕事
退屈は不幸であり、仕事を持つことは、
たとえ、その仕事がつまらないものであっても退屈よりマシです。
しかし、自分の技術を磨き、その技術を活かすことが重要です。
また、仕事は一日の多くの時間を費やするのであり、人生の目的と仕事を一致させると幸福です。
自分が思った通りの仕事ができ、その仕事が成功することは幸福の一つの要素です
・趣味
趣味も重要です。目的もない趣味を楽しむことも幸福です。
また幸福を獲得するためには努力が必要です。
・努力とあきらめ
努力してけることができることは努力が必要です。
自分の努力が、自分自身の自己研鑽につながったり、
誰かの役にたつような結果につながることであれば、その努力は幸福につながっていきます。
一方、自分の力が及ばないことは、あきらめて関心を持たないことが重要です。
・視野を広く持つ

まとめ

ラッセルの幸福論より、幸福になるための方法は以下の通りです。
(1)自分を卑下しない。過剰に賛美しない。権力を求めない。
つまり、一言で言うと、「極端な目標を持たず、ありのままを受け入れる」と言えそうです。
(2)仕事をして、自分自身を研鑽する。これを人生の目標にする。
アリストテレスのいう徳(卓越性、アレテー)と似た考え方ですね。
(3)目的のない楽しみ、興味をもつ。
(4)周囲の人の幸福が自分の幸福と感じ、周囲の人の幸福を願い共感する。
(5)他人と比較しない。
壮絶な人生を歩み、長寿だったラッセルです。
そのラッセルの教えですので、肝に銘じておきたいと思います。

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