勉強したり仕事をしたりしている時間も、少し考え方を変える、行動を変えると、
幸福な時間だと思えるようになります。
そのために、世界三大幸福論とよばれる有名な幸福論を参考にしてみたいと思います。
みなさまの幸福のために少しでも役に立てれば嬉しいです。
三大幸福論
三大幸福論と呼ばれている幸福論があります。
著者は、生誕日順に、ヒルティ(1833〜1909)、アラン(1868〜1925)、ラッセル(1872〜1970)です。
これらの幸福論は、幸福になるために欠かせない考え方だと思います。これらの幸福論を参考にして、幸福とは何かを考えてみたいと思います。生誕順に、ヒルティから。
ヒルティの幸福論
ヒルティは1833年スイス生まれ、敬虔なクリスチャンで、
宗教教育を受け、また文学、法律学、哲学、歴史を学びました。
政治学に関する著作をきっかけにしてベルン大学の教授となり国際法などの講義をしました。
幸福論は1891年、58歳のときに著されました。
幸福とは何かを考えるというより、
幸福になるためのコツを示しました。そのコツをご紹介します。
(1)仕事を続けることを生きがいに感じて幸福になる
自分は世の中から必要とされないと感じると、辛いものです。
そのためには、自分は何ができるのかを考え、それを実行すること、
つまり、仕事をすることを生きがいにすることが幸福であると考えました。
この考え方は、アリストテレスの幸福の考え方と似ていますね。
(2)習慣化して幸福になる
「自分の得意なことを見つけ、その仕事をしたい。」
だけど人はもともと怠惰なもの。得意なことでも、なかなか仕事をはじめられないものです。
そこで、怠惰な気持ちを切り替えて仕事を始めるコツを、ヒルティは教えてくれています。
その方法は、
まず、仕事をする最初の一歩を、なるべく簡単なものにして仕事を始めやすくする。
次に、その簡単な一歩を踏み出す習慣を身につけ、ルーチン化をする。
初めてしまえば、あとは、始めた仕事を続ければ良い。
一番難しいのは、仕事を始めることで、一度始めてしまうと仕事を始めるハードルは下がります。
つまり、習慣化、ルーチン化が、怠惰な自分を変えて、勤勉になる方法だといいます。
例えば、私は、以下のようなことを習慣にして、最初の一歩を踏み出しやすくできます。
・冬の朝、寒くてベッドから出られないのであれば、起きる前に寝室を温めておく。
・目が覚めたら、ベッドの中で、ストレッチや軽い筋トレを習慣化して、体を目覚めさせる。
・体が目覚めたら、起き上がり、水をのみ、鏡の前に行き、顔の筋肉をほぐす運動をする。
顔の筋肉をほぐす運動として、ウンパニ運動が簡単でおすすめです。
ウンパニ運動は、
ウで、口を丸く小さく閉じる。
ンのくちでほっぺたの筋肉を使って口を左右に開く。
パの口で口を大きくあける。
二の口で笑顔を作るという顔の筋トレです。
参照
・ウンパニ体操の後、「ベー」をしてみる
「べー」と舌を出すと舌の筋トレになり、誤嚥防止に効果があるそうです。
鏡の前でウンパニ運動のあとに、「ベー」と言って面白い顔をしてみましょう。
なるべく面白い顔を作ってみて、笑ってみることができれば大成功です。
・今朝の楽しみを予定しておく。
寝る前に、コーヒーや紅茶の準備をしておき、チョコレートなどお菓子を準備しておく。
すると、起きたとき、「お茶のんでお菓子食べよう」と起き上がれるかもしれません。
・朝日を浴びる
日の出の時間を調べておき、日の出の時間の数分を確保して、朝日を浴びることを習慣化するのも幸福感を得やすくなります。朝日を浴びるのは、もちろん天気の良い日に限られますが。。。
・では、勉強や仕事を始めましょう。
寝る前に、仕事や勉強の準備しておくことも、仕事を始めるハードルを下げることになります。
・毎日続け、日記や手帳にチェックする
そして、朝のルーチンができた時、そのことを手帳で、朝の幸福習慣にチェックを入れましょう。
一週間、一ヶ月と、毎日続けると、頑張った自分を褒めることができるはずです。
できなくても理由を書いて、継続したことにしましょう。
(3)仕事に疲れた時
ヒルティは、一つの仕事に疲れた時は、その仕事を中断して、頭を休めることが必要といいます。
休める方法としては、違う種類の別の仕事をすることもできると言っています。
例えば、別の仕事以外にも、いろいろな頭を休めながらできることがあります。
机の周りを片付けるのも一つの方法です。他にも、予定を確認したり、業務レポートを書いたり、相談したいことを先輩や上司に相談したり、少しの間仕事で必要な勉強をするなど。
いろいろな仕事を切り替え、頭を休めながら、仕事をすると良いでしょう。
ヒルティ流の頭の休め方、試してみてください。
(3)教養を得た人の自然なしぐさ(長い人生で少しづつ近づけば良い)
ヒルティは、教養を得た人のしぐさの特徴として、
慎み深く、穏やか、勤勉、何事もやりすぎない、などを示しました。
また、読書などの探究心があること、勤勉であることを挙げました。
いきなり若い頃から、そのような教養のあるしぐさを、自然にできるわけではありません。
若い頃は無邪気で情熱を持って行動力を発揮し、行動によって得た知識と経験を生かしていく。
最後は自らの人生を振り返りながら、周囲の人々のことも考えて、
自分の持っている知識や経験を他者の役に立てるような努力をする。
これまで、いろいろな知識や経験を得られたことに感謝する。
このようにライフステージに応じて、成長していくに従い、
徐々に教養ある自然なしぐさを身につけていけるようになりたいと思います。
日々、穏やかな振る舞い、勤勉さをもって行動していきたいと思います。
ヒルティの慎み深い行動を聞いて思い出すのは、
なんのイベントもない日常的な日には贅沢をしない、ということです。
昔、普通の休日に外食で贅沢をしてしまい、失敗したことがあります。
そのような生活をしていたら、子供は、休日のたびに、外食して贅沢したいと言います。
その子供の要求に応じていたら、
家族の誕生日などの特別な日のお祝いで
「ありがたみ」が薄れてしまい、子供達は喜ばなくなってしまいました。
普段は健康に気を使い、節約して慎み深い生活をして、
特別な日を厳選して、お祝いのために、贅沢をするのがよいのだと思います。
(4)不幸は幸福になるための糧
ヒルティは、苦しみに出会ったら、その乗り越えられるであろう苦しみに会えたことに感謝して、今後、その苦しみが何に役立つかを考え、幸福になるためのヒントを得られるはずだと考えました。
人生はあざなえる縄のようなもの、苦あれば楽ありといいます。
苦しみがあれば、それを乗り越えた先に、これまで以上の幸福があるのだと思います。
例えば、
冬は寒く、夏は暑い。風の強い日もあれば、雨や雪の日もある。雨風や日照りをしのげる場所を確保していなければ辛い状態です。暑さ寒さをしのげる場所を作らなければならないこと、そのような場所がとてもありがたい事に気付き、感謝できるようになれば、幸せになります。
2023年1月NHK総合テレビの「家族に乾杯」「ブラタモリ」のコラボで、鶴瓶さんが、江ノ島岩屋(江ノ島神社)から帰ってきた青年と会いました。その青年は、「最近いやなことがおおかったので、厄払いに来た」と言い、それに対して鶴瓶さんは、「いやなことは全部、ボーナスポイントだと思えばええんや。ええことが起こる前触れ。そのうち絶対いいことがある」と言っていました。その番組を見た時、不幸は幸福になるための糧である、という考え方を思い出しました。
もしかしたら、人生には苦しみの方が多いかもしれません。
苦しみや不幸な出来事は、何もしなくても自然に降りかかってくる。
しかし、幸福な出来事は、努力によって得ることはできても、めったに自然に降ってこないものです。
不幸な出来事を経験すると、
幸福な経験をより強く、ありがたいことだと感じられるようになるし、
しっかり努力していこうと感じられるのだと思います。
(5)利他的な心をもって行動する(人々を愛する)
ライフステージに応じて、情熱を持って行動し、知恵を生かし、
経験を積んで、知識・経験などを後世に活かす。
このとき、常に、周囲の人々のことも考え、多くの人の役に立てることを目指す利他的な心が、
周囲の人々への愛であり、家族・友人・社会に役に立ててもらえることを実行する事によって、
愛によって自分自身の心は満たされていく。
日々の行動で利他的な心を持っておき、人々への愛によって他者との絆を深めていく事が
幸福につながる、とヒルティは教えています。
また、敬虔なクリスチャンであるヒルティは、
神への信仰を通じて苦難を乗り越えることができると考えていました。
もし感謝してもらえることができたら、それはあなたの幸福です。
まとめ
ヒルティの幸福論より、幸福になるための方法は以下の通りです。
(1)仕事を続け、生きがいを持つ
(2)習慣化することが幸福になるコツ
(3)教養を得た人の自然なしぐさ(おだやかな振舞いをする。感謝する)
(4)不幸は幸福になるための糧
(5)利他的な心を持って行動する(感謝してもらえるような行動をする)
このような行動ができれば、あなたの今日一日は、幸福な日だったと言えます。
日々、幸福だったことを振り返ることで、幸福に気づき、
しっかり味わう習慣を身につけたいと思います。
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