世界の幸せな国(ブータン、フィジー、タンザニア、フィンランド)に学ぶ幸福になるためには?

幸せな国といえば、ブータンが思い浮かぶ人は多いと思います。他にも、フィジー、タンザニアのブンジュ村は幸福な国として本が出版されるほど幸福な国です。国連の世界幸福報告書では、フィンランドが幸福な国と言われています。
それぞれの国の幸せには特徴があり、この記事で整理してみます。そして、日本が目指してほしい幸福について考えてみたいと思います。
出典
(1)ブータン「世界一幸せな国」の幸福度ランキング急落 背景に何が?
(2)世界でいちばん幸せな国フィジーの世界で一番非常識な幸福論 / 永崎裕麻著
(3)今日、誰のために生きる? / ひすいこたろう×SHOGEN 著

各国の幸せの特徴

幸せな国と言われる代表的な国の特徴をまとめてみます。
【ブータン】国の方針として幸せを目指している国。主観的幸福度が高かった。貧富の差がない。
【フィジーフレンドリーでなんでも共有する。人とのつながりが幸福の鍵。
タンザニア】幸福になるための知恵が村中で浸透し実践している。自分を大切にし、自然を感じ、心をこめた人との付き合いをする。
【フィンランド】北欧諸国は福祉が充実ている。福祉などが充実していて客観的幸福度が高い。

幸せを目指している国ブータン

ブータンは、インドと中国に挟まれたヒマラヤ山脈の東側に位置する国です。首都ティンプーの標高は2400mほどです。国教は仏教。主な産業は農業で、米、とうもろこし、小麦、ばれいしょなどが取れるようです。松茸が取れて、日本へ輸出されているそうです。(Wikipedeiaより)
ブータンは1972年にワンチョク国王が提唱した国民総幸福量(Gross National Happiness)の概念により、「世界一幸せな国」といわれるようになったそうです。つまり、国策として国民総幸福量を指標として幸せを目指している国です。2005年に国税調査が行われ、97%の国民が幸せという結果となりました。しかしこの調査には問題があり、あなたは今幸せですか、という設問に対して、「①とても幸せ」、「②幸せ」、「③あまり幸せではない」の3段階評価だったそうで、多くの人は真ん中の②を選んだと考えられ、97%の人が①か②を回答したそうです。2010年には、「とても幸福」から「とても不幸」の11段階評価に変わり、平均値6.1でした。日本は同じ調査を2012年に実施し、平均6.6だったので、日本の方が幸せといえます。
かつて幸福度が高いと言われていたブータンですが、幸福度が落ちている理由は海外の情報が流入し、他国と比較できるようになったため、幸福度は下がってきたと言われています。
他国の情報が流入していなかった頃は、健康、人間関係、経済などのバランスが整っており、比較することなく自分たちは幸福だと思っていたようです。

みんなで分け合って身近な人を大切にする幸せな国フィジー

ブータンが幸せを目指している国に対して、フィジーは幸福になっている国です。
一般的に幸福度調査には、主観系と客観系の2種類があり、アンケートで「あなたは幸せですか」と質問する主観系幸福度と、平均余命や成人の識字率、就学率などを集計して得られる「人間開発指数」と呼ばれる客観系幸福度があります。そのうち、主観系幸福度の調査指標は、「幸福を感じている人の割合」と「不幸を感じている人の割合」の差で、「純粋幸福度」と呼び、フィジーは常に上位です。(たとえば2016年調査1位
フィジーの幸福は、フレンドリーなこととなんでも共有する考え方によるものです。
共有するというフィジーの言葉に「ケレケレ」というものがあります。意味は「お願い」「頂戴」「貸して」という意味で、困っている人がいたら助ける、という考え方。出典(1)参照
誰とでもすぐに仲良くなり、なんでも共有する、持っている人が持っていない人に与えるのが、フィジー人の幸せの主な要因です。だから、お金を持っていなくても食べていけるし、みんなで幸せを分け合っている国なのです。

自分を大切にし、家族を大切にし、失敗を許し、素直に喜び、心を込めて言葉を伝え、お互いを信じ合うブンジュ村(アフリカ タンザニア)の人たち

ブンジュ村の人たちは、幸福になるための考え方が浸透していて、実践されています。幸せになるためにどのような考え方があるのかを知りたい人は、ぜひ出典(3)の本を手に取って読んでもらいたいと思います。とても読みやすい本です。
この本では、アフリカのペンキアートを学ぶため、ブンジュ村にホームステイしたショーゲンさんが体験したことが書かれています。幸福になるための考え方、心のあり方は、以下のようなものです。また、フィジーでの共有の考え方と同様、なんでも共有するという考え方はブンジュ村にもあるようです。

  • 自分を大切にし、自分のために生きる。
  • ご飯が食べられることなど、日常の当たり前のようなことに感謝する。
  • 抱きしめられたら温かいと感じられる。
  • 相手を抱きしめるように、体温を届けるように言葉を届ける。
  • 考え方の違いがあり、喧嘩することがあっても、相手の考え方を認めてその日のうちに仲直りする。
  • 失敗を隠さない。失敗した人を、人間らしいね、かわいいねと考える。
  • 感謝したことを丁寧に相手に伝える。
  • 自分の思いを伝えたい人に丁寧に伝える。
  • 今、一瞬一瞬のことを丁寧に感じ取る。

このようなことが浸透しているのですから、幸福なはずです。素晴らしい考え方だと思います。

フィンランドの幸福

フィンランドは国連の関連団体で調査されている「World Happiness Report」で2018年以降6年連続ランキング1位となっており、世界一幸福な国といえます。その原因は以下のことが挙げられます。

  • 社会保障体制が整っており、大学までの学費が無料
  • 失業保険、子育て支援が充実
  • 自然が身近にある
  • 政治の安定(税金の使い方が明確、汚職、犯罪が少ない)

政治的な原因以外にも、国民一人一人が行きすぎた贅沢を期待することを制限する文化的思考が高い幸福度の原因となっているそうです。

出典:求めるものが高すぎる。フィンランドが7年連続幸福度ランキング1位の理由

幸福な国々を見習って幸せになるには

国の方針や税金の使い方によって、国民の幸福度が左右されることは、幸福度へ大きく影響していますが、個人が幸福になるためには、幸福な他国を見習って以下のようなことが考えられます。

(1)過剰な贅沢を求めない。足るを知る。
(2)周囲の人との良好な関係をつくり維持する。
(3)共有できるものを共有する。
(4)自分を大切にし、家族を大切にし、温かい心で人と接する。

私たち一人一人が幸せになるために見習うこととして、覚えておきたいと思います。

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